万が一に備える!マンションの防災対策ポイント

マンション共用部の防災対策ポイント

避難ルートとなる共用部分や設備に不具合が合った場合、避難に時間がかかってしまったり、けがをしてしまうことも想定されます。

また、不具合の状況によっては、建物の耐力に影響がでてしまっているケースもあるため、アフターサービスの期限や大規模修繕の予定に合わせ、定期的にチェックしておくと良いでしょう。

外壁のひび割れ

0.5mm以上のひび割れが複数ないか、白い跡がでているエフロレッセンスがないかをチェック。

雨水が侵入して内部の鉄筋がサビてしまうと、建物の強度に影響が出てしまいます。

避難ルートである、バルコニーや廊下に損傷が出たケースもあります。

マンション_鉄筋コンクリートのサビ2

鉄筋コンクリートのサビ

マンション外壁_ひび

外壁のひび

外壁タイルの浮き、剥離

外壁タイルに不具合があり、高所から落下してしまうとマンション住民だけでなく、第三者に怪我を負わせてしまう可能性があります。

避難時の障害となることが考えられますので、定期的なチェックはもちろん、補修を検討ましょう。

マンションタイルの浮き

窓ガラスの飛散防止対策

網入りガラスなどの飛散防止対策がとられているガラスかどうかチェックしましょう。

もしも、普通のガラスだった場合は飛散防止フィルムを貼ることを検討するとよいでしょう。

避難ハッチ、いざというとき使えますか?

一般的に各住戸のバルコニーにあるものではなく、住民で共有して使う設備です。

「避難はしごのあるバルコニーの下の階にものがおいてあって使用できない。」といったことにならないよう、共用部分であり避難経路でもある「バルコニー」には私物を置かないようにしましょう。

また、実際上から下覗くと意外と怖いもの。普段使う機会のない避難器具は、目にしたり触れたりしていないといざというときに使い方がわからない可能性も。

メーカーにといあわせるなどして防災訓練で演習をしてみるのもよいでしょう。

隔て板の前にはモノを置かない

「バルコニーの隔て板の前に植木がおいてあっていざというとき破れない。」とならないよう、隔て板の前には物をおかないことを周知させる必要があります。

ドアやサッシ枠の強度

玄関ドアが耐震ドアかチェック。

耐震ドアでなかった場合は、余裕がある場合は、ドアやバルコニーのサッシにクッションを挟むなど、地震で枠が歪み室内から出られなくなることを防ぐとよいでしょう。

災害時、マンション居住者が知っておくべき注意点

防災対策マニュアル

防災マニュアルがマンション独自のものでなければ災害時に対応できない可能性が高いため、管理会社に問い合わせて、そのマンションに応じた防災マニュアルがあるか確認をしてみましょう。

また、防災訓練においてもマンション独自の防災訓練が大切です。地域と連携した防災訓練も可能になれば、より充実したものになるでしょう。

居住者名簿を作成する

避難するときに援助が必要な小さい子供や高齢者がいるか、閉じ込められている住人がいないか効率よくチェックするために利用します。

居住者の家族構成なども記載しておくとよいでしょう。

個人情報のため、作成の際には必ず取り扱いのルールを管理組合で取り決めておくことも大切です。

受水槽で水を確保

マンションの場合非常時に受水槽から水を取り出せる給水栓があると良いでしょう。

災害時に有効に活用するためには、水質の確保が大切です。

屋外に設置されている場合は直射日光の紫外線で劣化がすすむためメンテナンスが必要です。

法的に10㎥以上の受水槽は、1年に1回の定期点検が義務付けられています。

通常は管理会社が立ち会って、大した問題もなければそのままですが、点検結果を理事会で回覧するなどして状況を把握し、早めにメンテナンスをするようにしましょう。

タワーマンションは「高層難民」になることも

東日本大震災時、マンションのエントランスまではたどりつけたものの、自宅がある高層階へはたどりつけないといったケースも見られました。

高層マンションの場合は、エントランスやロビーなど1〜2階の共用部分で一時的な避難ができるよう、毛布や水などの備蓄を確保しておきたいものです。

液状化が起きた場合

マンションの場合、建物下部にある杭が液状化する層の下の強固な地盤まで届いていれば、建物は傾かないことが一般的。(※地盤の性状にあった杭が適切な位置まで施工されていることが条件)

しかし、建物が傾むかなかったとしても、敷地内は液状化の影響で地表面が凸凹になり、建物と建物外周部(舗道や植栽など)との段差が非常に大きくなることがあります。

例えば、それまで公道からエントランスホールまで、なだらかなスロープを使って入っていたのに、地面が下がったことでスロープを改造しないとベビーカーや車椅子などは通れなくなってしまうことも。

凹凸の大きさが支障をきたす部分は、管理組合の修繕積立金で補修することになりますが、こういった補修にかかる費用は被害の大きさにより数千万円単位になることがあります。

予定外の支出に備えるためにも管理組合は大規模修繕の費用だけでなく、災害時の支出について検討することも大切でしょう。

また、液状化が起きたときに被害を受けやすいのが、上下水道などのライフライン。

建物に被害がなくても配管が大きくずれて断絶すると復旧まで時間がかかってしまうことも。

建物の配管と公共の配管のつなぎ目をずれに対応するフレキシブルジョイントにすることで一定の効果が得られるケースもありますので、管理組合で検討してみるのもよいでしょう。

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マンションの最大の防災対策は、各自の防災意識とコミュニケーション

共用部分はいざというときの避難経路になるということを認識し、不具合のチェックや私物を置かないように周知したり、防災意識を高めるためにも、管理組合でのコミュニケーションの場を設けることが重要となってきます。

万が一のときに「お互い様」で助け合える関係性を築けるよう、日頃からマンション内はもちろん地域を巻き込んでイベントや催し物を企画するなど交流を図るようにしましょう。

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