【理事さん 修繕委員さん必見!】第4章①大規模修繕工事の基本知識

第1話 長期修繕計画について

ここまで第1章から第2章・第3章と続いてきたコラムですが、今回の第4章では、マンションの資産価値を落とさないために避けては通れない非常に重要である大規模修繕工事について解説していきます。まずマンションで資産価値を保っていくためにおこなう大規模修繕工事は、もちろん共用部になります。

大規模修繕工事の際、修繕工事の対象となるマンション共用部について

該当する部分を細かく見ていくと以下の通りです。

  • エントランス
  • バルコニー
  • 駐車場/駐輪場
  • ゴミ置き場
  • エレベーター
  • 屋上
  • 外壁
  • 緑地帯 etc

上記内容をご覧いただくと分かるとおり、マンションの外から見える部分は、ほとんどが大規模修繕工事に該当する箇所と言えます。資産としてのマンションの印象を決めるのは、この共用部分と言っても過言ではありません。維持・管理がいかに大事なのかが多少なりとも理解いただけると思います。

専門委員会の存在

マンションでは大規模修繕工事の時期が近づくと、総会や理事会とは別に修繕委員会を組織して、大規模修繕工事を進めていくことがほとんどです。大規模修繕工事を行う2年前を目処に修繕委員会のメンバーを決めて動き出すパターンが多いです。

長期修繕計画表について

マンションの大規模修繕工事の予定については、長期修繕計画表で予定されています。この長期修繕計画表は、各デベロッパーがマンションを新築時に売り出す際、いろいろなひながたを利用して作成されています。たとえば「長期修繕計画 国交省」と検索をすると、国交省のガイドラインに沿った30年の長期修繕計画に関するものが出てきます。

各デベロッパーが新築時に作成した長期修繕計画表によると、12年目、24年目が建築の大規模修繕工事予定、30年目が設備の大掛かりな工事が予定されていることが一般的です。

マンションが30年目におこなうべき大掛かりな設備工事の中身は、たとえばマンション共用部の配管関係の設備だったり、高層マンションであればあるほど大切になってくるエレベーター、さらに立体駐車場などが30年目の設備工事に該当します。

もしかすると、皆さんのイメージでは長期修繕計画表は、マンションの大規模修繕工事をするための計画表のイメージかもしれません。しかし長期修繕計画表はただ単純な工事の予定表ではなく、大規模修繕工事を実際にどの時期にどの程度の費用で実施するのか、また毎月、毎年マンション管理組合で積み立てている修繕積立金の残高の推移を確認するための資金計画でもあり、マンション管理では非常に重要な資料です。

第2話以降でも、さらに大規模修繕工事の基本的な部分について解説していきます。

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