あみだくじでは許されない!?1.5億円超の使い道

国土交通省発表の「分譲マンションストック戸数」調査資料によると、現在、日本には約675.3万戸の分譲マンションがあり、実に、国民の1割強(※1)の約1,573万人がマンションに居住している推計となるそうです。

そして、そのうち築20年以内のマンション(平成12年以降竣工)、つまり比較的新しいマンションにおいて管理組合の運営担当者である「理事会メンバー」に選出される人は1年で約27万人、さらにその理事会の責任者となる理事長は約5.4万人いる計算となるのです(※2)。

27万人と推測される理事さんたちの中には、今年はじめて管理組合の理事会メンバーに選ばれた「新米理事さん」も多数いらっしゃることでしょう。

  1. 675.3万戸に1世帯当たり平均人員2.33をかけるとマンション居住市は約1,573万人
  2. 築20年以内のマンション(平成12年以降竣工)の戸数は、約307,4万戸。1世帯当たり平均人員2.33をかけると約716万人が居住する計算。

一棟あたりの平均戸数51.6戸/棟と推計した場合、全国に築20年のマンションは6万棟となります。9割のマンションで理事会があり、1棟につき5名の理事が選任されるとすると、全国に理事は27万人、理事長さんは5.4万人いる計算となります。

27万人は東京駅1日の乗客人数と一緒!


27万人という数字は東京駅1日の乗客人数(2020年)と同じです。東京駅の雑踏と同じ数だけ、新米理事さんがごった返している様子を想像してみてください。ものすごい人数ですね!

理事さんが扱う共有資産は1.5億円超!


平成30年度マンション総合調査によると、月/戸当たりの修繕積立金の額の平均は11,243円とのことです。
100戸のマンションの場合、1年で1,349万1,600円積み立てることになり、12年では1億6,189万9,200円にもなります。

この金額は、夏の風物詩、隅田川の花火大会開催費用1回分(1億5000万円)を超える金額です。

花火大会はパーッと華やかな世界に見えますが、舞台裏では職人さんをはじめ、花火大会のプロが数年前からコツコツと地道な準備をしているからこそ私たちは安心して花火を楽しむことができます。

約27万名の理事さんは、住宅ストック社会を迎えた日本において、分譲マンション居住者を代表する責任ある立場です。

良質なマンションを次世代に引き継いでいくためにも、しっかり管理していくことが重要です。

修繕積立金は所有者全員で毎月コツコツ貯めてきた貴重な共有資産ですから、区分所有者の皆さんが満足できるような、良い大規模修繕工事をできるよう、知恵の限りを尽くして検討していかなければなりません。「理事のなり手がいないから」と、あみだくじで選任してやり過ごしてよいテーマではないのです。

居住者間のトラブルが増えている

どのマンションもトラブルを抱えているようです。その内訳は

  • 居住者間のマナーをめぐるトラブル・・・55.9%
  • 建物の不具合に係るトラブル・・・31.1%
  • 費用負担に係るトラブル・・・25.5%

になるとのこと。居住者間のマナーをめぐるトラブルは、生活音や共用部の使い方、ペットの飼育などが多いそうです。

コロナ禍で、家に滞在する時間が増えたことにより、居住者間のトラブルも増大していると聞きます。
また、建物の不具合に係るトラブルも、生活を揺るがす深刻な問題といえるでしょう。


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