【写真付】マンションコンクリートの施工不良(欠陥)事例5選!対処法も

マンションの躯体であるコンクリートは、ほとんどの部分で表面に仕上げがされており、不具合や欠陥は普段の生活ではなかなか目に入るものではありません。

ですが、中にはマンションの構造強度にも影響するような不具合や、隠れたところで劣化を進行させるような施工不良が潜んでいるケースもあります。

ここでは、マンションのコンクリートにまつわる不具合や欠陥についてさくら事務所で行ったアフターサービス点検(補償対象の瑕疵がないかの調査)の事例とともに解説します。

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コンクリートの施工不良・欠陥① 鉄筋露出・かぶり厚の不足

鉄筋露出コンクリートの一部から鉄筋が露出しています。露筋と言われる状態です。

コンクリートが部分的に欠けている場合などもありますが、表面的には均一なコンクリート面に見えても、テストハンマーなどで打診すると、中身が空洞状態になっていることが確認できる場合もあります。

原因はコンクリート打設時の振動による締め固めが不足していた場合など、セメントペーストと骨材とが密実しないまま、空気が抜けずに硬化したことによります。

鉄筋は一定の厚さでアルカリ性のコンクリートに覆われることで錆から守られていますが、空気に晒されることで鉄筋に錆びが発生し、躯体強度の低下に繋がります。

鉄筋の錆による引っ張り強度の低下は耐震性の低下につながり、地震によって建物が大きく損傷を受けることがあります。一度錆びて強度を失った鉄筋を再生するのは不可能で、何らかしらの補強が必要になります。

強度を失う前に、露出部分の補修をしておくことが望まれます。

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コンクリートの施工不良・欠陥② 異物混入

コンクリートに異物混入コンクリート内部に、「ゴミ」が混ざっています。施工時に用いた建築材料の袋でしょうか・・・。

鉄筋露出と同様に、コンクリートが部分的に欠けて見える場合もありますが、表面的には均一なコンクリート面に見えても、テストハンマーなどで打診すると、コンクリートが簡単に崩れ異物が顔を出してきます。

原因は単純に、建設時の現場管理に問題があったとしか言いようがありません。

コンクリート打設前の配筋検査だけでなく現場の整理整頓も不十分であった結果といえるでしょう。

異物にもよりますが、そもそも建築材料以外のものが入っていること自体、本来の構造強度に悪影響を及ぼすことは明らかです。震災時の建物被害が大きくなる恐れがあるだけでなく、構造躯体の劣化も進むことが考えられます。

タイルや塗装で表面仕上げがなされていると分かりづらいでですが、コンクリートがボロボロと欠け落ちてきたりすると異物が顔を出してくることがあります。

鉄筋露出と同様に、地下ピットなどの打放し面で発見されるという傾向があります。

本来の構造強度を保つ為には、異物を取り除き無収縮モルタルやエポキシ樹脂モルタルなどでの補修になりますが、それでも一部の躯体を傷つけることに違いは無く、構造体にはあまり好ましいことではありません。

とはいえ、震災によって建物が大きく損傷を被る可能性があると考えれば、補修及び補強工事をしておくことはメリットが高いでしょう。

コンクリートの施工不良・欠陥③ 型枠の残存

地下ピットの型枠の残存地下ピット天井スラブ(1階床)の一部に施工時の型枠材が解体されずにそのまま残っています。

型枠は本来、コンクリートを打設するためのもので、コンクリートが固まれば解体して撤去するものですが、施工後に撤去するのを忘れてしまったようです。

原因は、マンション施工後の忘れ物。

この部分は、ダメ穴と呼ばれる部分で、コンクリート型枠を解体した後、搬出するためにコンクリート打設時にあらかじめ開けておく穴です。

通常、すべて搬出し終わった後、鉄筋を継いでこのダメ穴部分もコンクリートで塞ぎますが、最後にこの部分の型枠解体を忘れてしまったものと考えられます。

型枠が残されていること自体、構造体に悪影響を及ぼすものではありませんが、地下ピットは湿度が高いことが多いため、型枠の木部が腐食したりカビが発生したりするおそれもあります。

地下ピットはマンション居住者が出入りする場所ではありませんが、地上にある通気口(地下の通気のための穴)から悪臭が漂う場合もあり、衛生上も好ましい状態ではありません。

程度にもよると思いますが、敷地周辺で、原因不明の悪臭が漂っている場合は、地下ピットからの臭気の可能性も高く、マンション管理会社に地下ピット内の確認をお願いしてみるとよいでしょう。

早期に地下点検を行い、撤去しておくに越したことはありません。

コンクリートの施工不良・欠陥④ コア抜きによる強度の低下

コア抜き

コア抜きとは、配管などを設置するために必要なスリーブ(穴)をコンクリート打設後にダイヤモンドカッターなどであけることで必要不可欠なものですが、コンクリート打設時に予め計画的に設置されるのが本来のあり方です。

しかし、画像で確認できるように、内部鉄筋を切断してしまっている場合があります。
(※配管の左側の茶色の部分です。)

通常、配管などに必要なスリーブ(穴)は、コンクリート打設時に塩ビ管などを挿入してあらかじめ確保しておき、穴の径によっては周囲に補強筋等を配筋し、周囲の補強を行います。

しかしながら、これを忘れてコンクリートの施工をしてしまった場合、コンクリート打設後に躯体を貫通しなければならない配管工事が行えず、後からダイヤモンドカッターで穴を無理に開けるという行為が行われていることも。

カッターで鉄筋を切断してしまった場合、切断された鉄筋の種別により構造強度への影響は異なりますが、悪影響を及ぼすことに違いはありません。
鉄筋が切断されたことにより、建築基準法に規定される耐震性を下回っているという例もあります。

コンクリートの施工不良・欠陥⑤ 断熱材の欠損

地下ピットで発覚した断熱材の未施工地下ピット天井(1階床)の断熱材の設置が部分的に施されていません。

断熱材は、熱や冷気を伝えにくくするためのもので、欠けや未施工部分なく連続して施工されていないとその性能が発揮できません。

写真は、建築時の施工不良によるものです。

断熱材に未施工部分があると、その部分から熱が伝わりやすくなり、1階床で結露が起きる可能性があります。

結露が放置され続けると、直上階の居住者の室内床の仕上げ材(フローリング材やシート類、床下地など)が腐食したり、カビ発生の恐れもあります。

居住者が地下ピット内に入ることはまずありませんので、初期の段階では気づきにくいかもしれません。

床が腐食してくるなど異変が生じて気づくことになるでしょう。

早い段階で補修を行うことで、上階の床材への二次被害を防ぐことができます。

コンクリートの施工不良や欠陥はアフターサービスで無償補修を

構造強度は一旦損なわれると、それを回復するのは容易なことではありません。また、コスト面での負担だけでなく、計画段階で予定していた耐震性などの回復が保証されるものでもありません。

これらのコンクリート施工不良が発覚するのは、主に表面に仕上げがされておらず、普段の生活で目に入らない地下ピットです。

2年目アフターサービスの点検でしっかりと施工不良や欠陥を洗い出し、無償補修してもらうことをお勧めします。

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