大規模修繕工事の周期延長、可能にするための4つの条件

大手管理会社が取り組みはじめ、注目を浴びる、大規模修繕工事の18年周期。

さくら事務所にも、「本当に可能なの?」「うちのマンションでもできる?」といったマンション管理組合さまからのお問合せを頂きます。

「単純に、一度の工事でその効果を長持ちさせればいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけではうまくいきません。

今回は、大規模修繕工事の周期延長を可能にするための4つの条件をご紹介します。

足場が必要な箇所の工事は高耐久化

大規模修繕工事の際、高所作業のために架けられる足場。工事完了後には何も残りませんので、ここに高額な費用が掛かってしまうのは本当にもったいないのですが、実は結構な割合を占めています。一般的なマンションでは総工事費の15~20%、30戸未満の小規模マンションや15階を超える高層マンションでは更に割高になります。タワーマンションでは、35%を超えるケースもあります。

足場の必要な、屋上の防水・シーリング防水・塗装などの工事を、高耐久性の仕様にしておくことで、大規模修繕工事の周期延長が成り立ちます。

ひび、錆び汁・・・建物のウィークポイントをチェック

ひび割れ、エフロ-minあそこだけいつもひび割れてしまう、何回直してもすぐ錆び汁出てしまう、またあそこにエフロが・・・。
大概のマンションでは、そういった「建物のウィークポイント」のようなところがあります。修繕時、そのまま直しても同じようなことを繰り返すだけ。対策を含めた工事仕様を考えないといけません。簡単に言えば、「壊れやすいところを壊れにくい仕様に変える」ということです。

大規模修繕工事の合間、中間時のメンテナンス

b6a8a20c7b23fc9c58c8d3489fe9c508_s-min大規模修繕工事の周期を18年にしても、18年間なにもしなくていというわけではありません
中間もしくは、三分の一ごと(6年おき)に、足場を掛けないような範囲で劣化の部分を軽微な補修でメンテナンスしていく必要があります。

新築時の施工不良を早期に解消しておく

メンテナンス上で挙げた、軽微な補修メンテナンスをできるだけ少なくする、これを可能にするのが「新築時の施工不良の早期解消」です。
マンションも人の手による手作り。残念ながら、新築時に完璧なマンションはほぼありません。早期に建物の施工不良をチェック、解消しておくことが大事です。2年目のアフターサービスでできるだけ洗い出しておくといいでしょう。

ここで健全な状態にリセットしておくことで、工事周期を伸ばし、更にその間の補修メンテナンス費用をぐっと抑えることができるのです。

特に、早期にチェックしておきたいのがマンションの外壁。大規模修繕工事で足場を掛けてから初めてその状態に気がつく・・・というケースが多々あります。

先々の大規模修繕工事も見据え、このチャンスを有効に使いましょう。

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