いざという時に慌てない!マンションの防災設備を知ろう

マンションによって大きく異なる防災設備

コンクリート造りのマンションは地震や火災などの災害に対して強いイメージがあるのでしょうか。

居住者の方々はもちろん、管理組合の理事や委員の皆さんでも、自分たちのマンションの防災設備の機能をきちんと理解し、適切に取扱えるという方はほとんどいません。

また、防災設備といっても、総戸数が数十戸未満の一般的なマンションと総戸数が数百戸を超える超高層のタワーマンションでは、設置されている設備は大きく異なります。

マンションにはおもに以下のような防災設備が設置されています。

  1. 警報設備:自動火災報知機・非常警報・非常放送
  2. 消火設備:スプリンクラー・泡消火・屋内消火栓・連結送水管
  3. 避難設備:避難ハッチ(はしご)・緩降機
  4. 消火器:消火器(粉末・強化液・不活性ガスなど)
  5. 防排煙設備:防火扉・防火シャッター・防火ダンパー・排煙機

今回は、この中から警報設備について、設備の基本的な機能と理解しておきたいポイントについて説明します。

いざというときに慌てないため、警報設備を知っておく

警報設備は、火災発生を察知して警報を鳴動させ、建物内に知らせるための設備です。

もし火災が発生した場合に備え、自分の住むマンションのベルやサイレンがどのような音か事前に知っておくべきでしょう。

また、自動火災報知機の中には、火災が発生しても建物全体で警報が鳴動するのではなく、火災が発生した当初は出火した階と直上の階だけで鳴動する仕組みとなっているものもあります。

警報が遠くで鳴っていても、同じマンション内で火災が発生している可能性もあるので油断は禁物です。

11階建てを超える建物では、非常放送設備が自動火災報知機と連動する方式で設置されていることがあります。

非常放送設備は、火災発生時にいつ・どこで出火したのかをマンション内に知らせる設備です。

ベルやサイレンの警報設備だけでは、火災が発生している階や場所などの情報を伝えることができず、緊迫感が異常に高まり避難時にパニックを引き起こしかねません。

非常放送設備では、サイレンに比べて緊張感の小さいシグナル音と、火災報知機の作動を知らせるアナウンスが自動的に流れます。

「パポパポパポ」といったシグナル音が鳴ったのち、「ただいま、○○階の火災報知機が作動しました。確認しておりますので次の放送にご注意ください。」と自動音声によりアナウンスされます(※女性の声の場合が多いと思います)。

次に、火災報知器が動作した箇所を確認し実際の火災である場合には、シグナル音ののち、「火事です。火事です。○○階で火災が発生しました。落ち着いて避難してください」というようなアナウンスが流れ、「ウイーン、ウイーン」というようなスイープ音が鳴ります(※男性の声の場合が多いと思います)。

火災ではなく誤作動であった場合には、シグナル音ののち、「先ほどの、火災報知機の作動は確認した結果、異常ありませんでした。ご安心ください。」とアナウンスされます(※女性の声の場合が多いと思います)。

ただし、1994年(平成6年)の消防法改正以前に設置された非常放送設備は、シグナル音やスイープ音ではなくサイレンを伴い、自動的に火災報知機に連動する仕組みになっていないタイプがあります。

管理人室に入れない!誤報でも止められない?

警報設備は一度作動すると自己保持する機能があり、中には管理室や防災センターなどに設置されている本体(受信機など)を操作しなければ警報音を止めることができない仕組みになっているマンションがあります。

管理員さんが常駐しているマンションでは問題ありませんが、巡回管理や通勤管理のマンションでは注意が必要です。

管理員さん不在時に警報設備が作動した場合、幸いに火災が誤報であると確認されたとしても、もし管理組合(理事会)の方々が管理室の鍵を所持していなければ、警備会社の方が来るまで警報は鳴りっぱなしです。

近隣の方が通報し、必要ないにもかかわらず消防車が出動する騒ぎに発展する恐れがあります。

近所に迷惑をかけることはもちろん、誤報により消防車が不要な出動をすれば消防体制へ影響を及ぼしかねないので厳に慎みたいものです。

このような場合には、管理組合の方々が管理室に入室できる体制にし、少なくとも火災であるか否かを判断する手順、誤報である場合には警報を止める手順などを覚えておく必要があります。

いかがでしたでしょうか?

知っていると知らないとでは、災害時の対応が異なってくるでしょう。

日頃からマンションの防災設備について知っておくことで、避けられる被害やパニックもあるかもしれません。

ぜひ一度、ご自身のお住まいのマンションの防災設備について話し合ってみてはいかがでしょうか?

専門家のアドバイスをご希望の方は、さくら事務所のマンション管理士までお気軽にお問合せください。

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