マンションを屋上はなぜ平らなの?

マンションの屋根が平らな理由

一戸建てと比べて、マンションの屋根は平らな形状が一般的。

理由は、大きく分けて2つ。
一つ目は、少しでも多くの専有面積をとるため。建物を建てるには様々な規制があって、高さ制限とともに容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)の制限もあります。決められた制限の中で少しでも多くの床面積を取るために屋根はフラットにした方が効率が良いのです。

二つ目は、メンテナンス上の理由から。数十メートルの高さにもなるマンションの屋上に上るには、勾配屋根だと危険を伴います。屋上の点検・メンテナンスのためだけに足場をかけるのも大変な作業ですし、なによりコストがかさみます。

屋上には、雨漏りを防ぐための大事な防水が施されているのはもちろん、アンテナや受水槽、避雷針などなど、さまざまな設備機器が据え付けられていることもあり、管理・点検などのため頻繁に管理上立ち入る必要があるのです。無論、一般居住者が自由に出入りできないよう普段は施錠されています。

屋上防水は建物の寿命を左右する

建物を雨漏りから守ってくれる屋上(屋根)は防水の状態が建物の寿命を左右するといってもいいくらいメンテナンス上最も重要な部位の一つ。

平らな陸屋根の防水は、材質で大別すると三種類あります。

耐用年数の長い順に上げると、①アスファルト防水、②塗膜防水、③シート防水

もちろん価格もそれに伴って上昇し、一般的に防水層の上にはトップコート(保護塗装)をかけるので、その厚みによっても耐用年数は変わります。

1回ごとの更新のしやすさでいえば、塗膜とアスファルトに比べ、シート防水に軍配が上がります。

比較的短期間で工事が完了するのが利点ですが、一般的に行われるカバー工法は繰り返し行うことができないため、防水層を全部撤去して初めからやることになるので、修繕計画からトータルコストを考える必要があるでしょう。

塗膜やアスファルトは繰り返し改修が可能。

複雑な形状でもぴったり施工できるというメリットがありますが、工期はやや長めです。

また、耐用年数は一番耐用性に優れたアスファルト防水で20年程度と言われます。

しかし、大体12~13年ごとに行う大規模修繕工事で防水工事を行うケースが多く、防水に関しては法的な保証期間は10年とされているため、保証期間が切れる前に一度点検をするとよいでしょう。

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