たかが3%されど3%、今後のマンションの工事代金税率はこうなる 

消費税増税でマンションの工事代金に影響は?

今後の工事代金、税率はこうなる

予定通り来年4月から消費税8%となることが決定しました。 建築のような受注生産でかつ売買契約から実際に手に入るまでに長い時間がかかる場合、消費税は「9月末までの契約であれば、引渡しが4月を超えても5%」と原則なります。

しかし、建築工事というのは当初の予定通りに進行しないことが多く、変更や追加工事などの変更などがあるのが一般的。こうした変更やハプニングに備えて、通常の建築工事で普通に起こりうるパターンについて国交省が直轄事業の税率の取り扱いについて各地方整備局へ通達を出しました。(図表:国土交通省)

1. 9月末までの契約ならば、建物の引渡しがいつであろうと5%

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2. 10月を超えた契約の場合、3月末までの引渡しならば5%、4月以降の引渡しならば8%

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3.  9月末までの契約で、10月以降の設計変更などで増額となった場合、増額分に対して8%(その他は5%)

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4. 工期延長によって、4月以降に引き渡しがずれてしまった場合

a 自然災害など受注者に責任が問えない場合は、発注者が全工事代金に対して8%払う
b 工事ミスなど受注者の責任で遅れた場合は、受注者が不足分の3%を自腹で払う。

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5. 3月末までに、前金払いや部分払いをする分については5%

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施工精度や出来上がりにも影響が?税率改訂に伴い予想されるケース

工期が当初から4月を超えることが分かっている場合はいいけれど、3月で終わりそうなものは発注者も受注者も無理にでも終わらせようとする可能性が懸念され、施工精度や出来上がりに影響がでる恐れもあります。

加えて、現場が始まってから発注者である管理組合が変更や追加を申し出るなどした場合、現場にさらに追い討ちをかけ工期がずれ込み、責任の所在をめぐり「発注者の追加注文のせい」と主張する受注者と、「施工の段取りが悪いせい」と主張する発注者が衝突するという事態に発展するケースも考えられます。

増税前の駆け込みで注意したい「金額」「工期」

2013年10月から半年で可能な工事といえばマンションの場合、専有部分のリフォーム、共用部のちょっとした改修工事が考えられます。

上記のケースのようなトラブルを未然に防ぐためには、

1. 契約時点できちんと「図面」と「金額」を確定しておく
2. 何か変更、追加がでたら、その都度「金額」と「工期」をお互いに確認し合う

この2つは、税率の改訂がなくとも工事請負契約上極めて基本的かつ重要なことですが、意外と見落とされていてトラブルになるケースも見受けられます。

今回は税率が変わってくるということで3月末までに竣工予定の工事をお考えなら、特に「2」に注意したいところです。

 

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