マンション共用部アフターサービス 損をしないためのポイント

マンション共用部もアフターサービスの適用を受けることが可能です。またマンション共用部にアフターサービスが適用されることは知っていたものの、その期間が過ぎてしまっていて利用することが出来なかったとの声をよく聞きます。

アフターサービスを有効活用することで、将来的な修繕箇所の削減や修繕周期を遅らせることができる場合もあり、修繕積立金の節約効果に期待ができます。

一般的なアフターサービスの時期

アフターサービスの実施時期

◯1st 6ヶ月(or 3ヶ月)・1年目・2年目

この時期は一般的に施工会社または分譲会社から、アフターサービスの時期を知らせることがほとんどです。

また施工会社や分譲会社によっては自主的に点検をおこない、その点検結果にもとづいて補修を実施する会社もあります。この時期は共有部分だけでなく専有部分でもアフターサービスを告知されるケースがほとんどなので、専有部分でのアフターサービスの告知があることで、共用部分のアフターサービスに気づく場合もあります。

☆ポイントは専有部分でアフターサービスの告知が来た時点で、共用部分でもアフターサービスの申し出をする必要があることを認識することが大事になります。

◯2nd 5年目・7年目

この時期は一般的に施工会社または分譲会社からアフターサービスの時期を知らせる通知はありません。通知がないこと=施工会社または分譲会社による補修なども自主的におこなわれません。

◯3rd 10年目

10年目も一般的に施工会社または分譲会社からアフターサービスの時期を知らせる通知はありません。通知がないこと=施工会社または分譲会社による補修なども自主的におこなわれません。

特に2年目以降は施工会社や管理会社から通知がされないため、忘れてしまうと時期が過ぎてしまうアフターサービスの時期が過ぎてしまう可能性があるため、留意する必要があります。

アフターサービスの期間満了日の把握がポイント

まずアフターサービス期間の満了日の把握がポイントになります。2年目以降は施工会社や分譲会社から積極的にアフターサービスについての通知はなされません。そのため知らずしらずのうちにアフターサービスの期間が過ぎてしまっていることは、決して珍しいケースではありません。

当然のように期間満了前にしっかりアフターサービスの申し出をされていない場合、施工会社や分譲会社が無償で補修をしないケースも考えられます。その場合は管理組合が費用を負担して補修をしなければいけない事態に陥ってしまいます。

そのため1年目・2年目・5年目・10年目がアフターサービスの適用を受けることが多いタイミングになるのですが、それぞれの時期が近づいたタイミングで、アフターサービスの期間満了日がいつになるのかをなるべく早く確認する必要があります。

アフターサービス10年目の例

構造耐力上主要な部分や雨漏りの発生を防ぐ箇所以外の修繕に関しては、アフターサービスの10年保証の対象にはなりません。そのため10年間アフターサービスを受けられる箇所はかなり限定的になるとお考えください。

アフターサービス5年目の例

アフターサービスで保証される箇所は配線・配管まわりが中心になります。

アフターサービス2年目の例

☆5年目・10年目以外で対象となる箇所以外は、一般的に日常生活を送っているうえで気づくような不具合(ひびわれやタイルの浮きなど)は、基本的にアフターサービスの満期は2年までとなります。

事例1:ひび割れ

ひび割れは、ひび割れ幅によってアフターサービスの対象になるかならないかの判定を設けているところがほとんどになります。ただひび割れの幅を問わず、まずはどういったところでひび割れが発生しているかを2年目までにしっかりと押さえることがポイントです。

事例2:屋上の防水層

屋上の防水層がひび割れを起こしたり、膨れていたりする場合、アフターサービスは2年目までが対象となります。当然、該当事象で雨漏りが発生した場合は10年目までの保証対象になりますが、雨漏りが発生するまでではないひび割れや膨れは2年目までの対象です。

事例3:共用廊下で使われている長尺シート

長尺シートが剥がれていたり、めくれているような不具合もアフターサービスは2年目までが対象です。

事例4:エフロレッセンス

エフロレッセンスに関してもアフターサービスは2年目までが保証対象となります。

修繕積立金を節約するポイントは2年目までがポイント

2年目までにしっかり共用部に関してアフターサービスの申し出をおこなって、不具合の補修をすることが修繕積立金の節約をするポイントになります。

2年目までのアフターサービスの申し出をしっかりおこなっていれば、いわゆる最初から分譲会社の定めたアフターサービス基準のなかにある不具合を、最少の交渉かつ無償で修繕される可能性がもっとも高い時期になりますので、アフターサービスを最大限有効活用する意味では、2年目がポイントになります。

マンションは分譲されたときが完成ではなく、分譲から一定の期間を経て、そこで分譲時には発覚しなかった不具合をしっかりアフターサービスを使って補修することで、本当の意味でマンションが完成し、その後、修繕積立金の運用について考えていくことが、マンション管理組合の運営を進めていく上で、非常に大切なポイントとなります。

 

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