マンション大規模修繕工事、施工会社の違いは「足場」でわかる

新築、改築、修繕など工事の種類はいろいろありますが、いずれの工事においても、その工事を請け負う施工会社の実力を見るポイントの1つに「仮設工事」があります。

基本的に、新築・改築では「あらかじめ作成された設計図面通りに施工すること」が、修繕工事においては「劣化する前の状態に仕上げること」が施工会社の使命。

そのため、施工会社はその創造性を発揮できる場面はあまりないのですが、仮設工事は施工会社が唯一自由に計画し、その創造力を発揮できる部分です。

また、大規模修繕工事においてこの仮設工事は工事全体の成功を左右する重要な要素の1つでもあります。

ここでは、大規模修繕工事においてさくら事務所がおすすめする施工会社選定方式・プロポーザル方式の中で提案された、巧みな足場の仮設工事の事例をご紹介します。

大規模修繕工事で仮設工事が重要なワケ

大規模修繕工事において、仮設工事は大きな費用割合を占めますが、そもそも工事を行うための環境をつくる工事なので、工事が完了してしまえばその形は何も残りません。

ではその良し悪しは大規模修繕工事にどのような影響を生むのでしょうか?

まず、大規模修繕工事において、なぜそれほど仮設工事(足場)が重要なのでしょうか?

工事の効率化を図れるか?

まず第1に、スムーズに効率よく工事を進められるかどうか。

これは、施工会社の利益確保にもつながる部分ですし、大規模修繕工事費用の他の費用にもかかわってきます。

効率よく作業できる足場が組まれていれば、人工(作業量)を抑えることも、工事期間を圧縮することもできます。

工事期間中、居住者への負担はどれほどなのか?

第2に、工事期間中の生活への影響。

大規模修繕工事は、居住者が生活をする中で進められます。

また、大規模マンションになるほど工事期間も長期に及びます。

居住者の生活への最小限に抑え、不快感・不自由さを取り除けるか?も大きなポイントになるのです。

ケース1、工事期間中は全車両を外部に移動!?

都内のある小規模マンションでは、1階の建物内部に機械式駐車場が組み込まれていました。

通常の枠組み足場を建物外周に立てた場合、工事期間中は車両の出入りが不可能になるため、全車両を外部に駐車場を借りて移さなければならない状況でした。

当然その期間中の駐車料金は管理組合負担となります。

そこで、ある施工会社が出したのが通常の枠組み足場と、ゴンドラを併用する計画でした。

車両の出入り口となる周辺の足場のみ、屋上から吊り下げるゴンドラ式を採用したのです。

車両出入口がふさがれないため、工事期間中も普段通り車の出し入れが可能になります。

ゴンドラの専門業者に現地を確認してもらってからの提案でしたので、実現性もしっかり担保されていました。

他社が「全面、通常の枠組み足場+全車両外部移動」という提案をしてきたため、この提案は施工会社選定でも大きな決め手の1つとなりました。

ケース2、低層階に負担を押し付けないように・・・

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大規模修繕工事中は、マンション外周を枠組み足場と飛散防止ネットでぐるりと覆うのが一般的です。

工事期間中、特にバルコニー側の眺望は遮られ、圧迫感を感じながら生活しなければなりません。

タワーマンションや大規模マンションでは、費用こそかかりますが、眺望の妨げや圧迫感などの負担を最小限に抑える昇降式足場を採用するケースがあります。

確かにこれなら、視界を遮るのはそのフロアの作業を行っている間だけで済みますが、足場に乗り込むためのステージや作業を行っていない間の足場置き場として、どうしても1階2階に負担が出てしまいます。

中高層階の負担は抑えられますが、低層階のみに負担が生まれてしまうため、住民間の不公平が問題にもなるのです。

同じく都内にあるタワーマンションの大規模修繕工事では、施工会社がある提案をしてきました。

1階は居住スペースはないのでそのままに、2階にお住まいの方の負担を減らすべく、1階の植栽を一部剪定し、そこに足場置き場を確保する、という案です。

植栽は一時的に剪定するものの、自然再生しますので工事期間が終わればまたもとのかたちに戻るよう成長を待ちます。

結果、他の提案も含め、総合的に判断してこの施工会社に工事をお願いすることになりました。

足場はじめ、総合的な提案力で選ぶのがプロポーザル方式

いかがでしたでしょうか?

いずれのケースにおいても、仮設工事以外の部分でもそれに比例するように、優秀な提案をしてくれました。

言われたままの工事を通常通りに行うのではなく、そのンションに合わせた独創的な提案を出してくれたその姿勢に、その施工会社の熱意も感じることができました。

通常の施工会社選定方法では、施工会社からこのような提案を受けることはできません。

「指示通りの工事がいくらでできるのか?」だけが争点になってしまうからです。

各施工会社が、知恵を絞り、アイデアを持ち寄ってくれるのが、このプロポーザル方式の強みでもあります。

これらの提案をしっかり理解することで、理事の皆さんの修繕工事への理解度も高まり、結果的に大規模修繕工事の満足度にもつながります。

各施工会社の提案や比較については、さくら事務所のコンサルタントがお手伝いします。

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