4月の人事異動に伴い、管理会社の担当者が変更になったマンションもあるではないでしょうか。
一方、管理組合も4月~6月は総会シーズンで、管理組合役員の交代があるマンションも少なくありません。
このようなタイミングで、管理会社担当者と管理組合役員が同時に交代してしまうことで、心機一転となればよいのですが、実際には、日常のやりとりや検討経緯の継承等がうまくなされず、管理組合運営が停滞してしまうことがあります。
そこで重要となるのが「引継書」です。会社の異動等では必ず作成する引継書ですが、残念ながら、管理組合で作成されているのは稀です。
なぜマンション管理組合でも引継書が重要なのか、今回はその理由をご説明したいと思います。
引継書の記載事項とは?
引継書の記載事項については、マンションの特性にもよりますが、少なくとも次のような事項を網羅すると効果的なものになるでしょう。
- 保管書類
組合員(居住者)名簿・設計図書類・議事録・長期修繕計画表・規約原本・消防計画など
- 管理組合懸案事項
マンション内の課題やトラブル・近隣問題・事業主とのトラブルなど
- 建物設備管理業務関係
設備を行っている保守メンテナンス業者リスト・保守委託契約書・不具合事項一覧
- 役員選出方法
- 理事会開催頻度・開催場所の予約方法等
- 総会開催月・開催場所の予約方法等
- 火災・断水等緊急時の対応方法
- 台風(大雨)、火災、地震、積雪時の対応方法
- 管理事務室等の鍵の運用
- 理事長印の保管方法
- 管理会社の緊急連絡先・担当者の携帯電話番号
継続性ある管理組合運営のために
上記のようなことを網羅した引継書を、管理組合の役員間および管理会社とも共有することで、より継続性のある管理組合運営が可能になります。
なお、管理組合の活動履歴については、修繕の履歴だけでなく、事件事故から注意文の掲示まで日記のように履歴を残す機能を持った管理会社もあります。
このような機能があれば、同様の事象が発生したことがないか、また、その時の対応方法などについて、すぐに参考にすることもでき、引継ぎという意味でもとても有効で管理会社を選ぶ際のポイントの一つになるといえます。
さくら事務所では、管理組合運営向けサービスを提供しておりますので、是非ご利用下さい。